予防接種について

罹患すると重症化する可能性がある、もしくは流行しやすく市中感染しやすい感染症に対して、できるだけ免疫をつけていくことで感染するリスクを減らすという目的で行われるのが予防接種です。
具体的には、感染症の原因である病原体(ウイルス、細菌 等)の病原性を極限まで弱めた生ワクチン、あるいは無力化させた病原体の一部を集めて作られた不活化ワクチンを体内に接種します。これによって、特定の感染症に対する免疫をつけていき、感染しても発症しにくい、発症したとしても軽度な症状で済む可能性が高くなります。
また、多くの人が予防接種を受けていると、集団の中に感染患者が出ても流行を阻止することができる「集団免疫効果」が発揮されます。これにより、予防接種を受けられない人たちを感染症から守ることができます。
ワクチンは無理強いするものでもありません。個人的には、ワクチン接種は納得した状態で臨んでほしいと思っています。どうしようかと悩まれる方はご相談ください。
予防接種健康被害救済制度について
一般的に、ワクチン接種では、副反応による健康被害(病気になったり障害が残ったりすること)が起こることがあります。極めて稀ではあるものの、なくすことができないことから、救済制度が設けられています。救済制度では、予防接種によって健康被害が生じ、医療機関での治療が必要になったり、障害が残ったりした場合に、予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。詳しくは 「予防接種健康被害救済制度について」ページをご覧ください。(厚生労働省ホームページより)
当院で実施可能な予防接種
薬剤の手配が必要になりますので、事前にお電話でお問合せください。
(web予約はできません。)
ワクチンの流通状況により、ご希望に添えないことがあります。何卒ご了承ください。
新型コロナウイルスワクチン (コミナティ) |
|
---|---|
インフルエンザウイルスワクチン | |
肺炎球菌ワクチン (ニューモバックス) |
6,600円 |
肺炎球菌ワクチン (プレベナー20) |
8,800円 |
RSウイルスワクチン (アレックスビー) |
26,000円 |
帯状疱疹ワクチン (シングリックス) |
22,000円 |
A型肝炎ワクチン (エイムゲン) |
6,600円 |
B型肝炎ワクチン (ビームゲン) |
5,500円 |
麻疹(麻しん)ウイルスワクチン(生ワクチン) | 5,500円 |
風疹(風しん)ウイルスワクチン(生ワクチン) | 5,500円 |
MR(麻しん風しん混合)ワクチン(生ワクチン) | 8,800円 |
- 上記はすべて、自費で予防接種を受ける場合(任意接種)の値段です。新型コロナウイルスワクチン、インフルエンザウイルスワクチン、肺炎球菌ワクチンの定期接種の自己負担額については、自治体のホームページをご参照ください。
新型コロナウイルスワクチン
2023/24シーズン(令和5年秋冬の接種)において用いられたオミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1系統)の効果として、新型コロナウイルス感染症による入院を約40~70%程度予防した等の報告が国内外でなされています。(令和6年7月時点)現在、国内で使用可能な新型コロナウイルスワクチンはいくつかありますが(2024年秋冬は5社)、当院ではコミナティ(ファイザー社)を採用しています。2024年4月1日以降の新型コロナウイルスワクチンの接種は、全額自己負担となっています。なお、65歳以上の高齢者や60~64歳で日常生活が極度に制限される程度の障害がある方につきましては、毎年1回、10月頃から開始される接種に限り、定期接種の対象となります。この場合は一部費用が助成されます。詳細につきましては、お住いの自治体(市区町村)のホームページをご覧ください。
参考)新型コロナワクチンについて 厚生労働省ホームページ
当院のブログでも取り上げていますので、ご参考ください。
インフルエンザワクチン
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状もみられます。ご高齢の方や免疫力の低下している方では二次性の肺炎を伴う等、重症になることがあります。新型コロナウイルスが流行する以前は12月~3月が流行シーズンでしたが、現在は時期がずれた流行がみられることもあります。いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありません。しかし、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関して、一定の効果があるとされています。接種からその効果が現れるまで通常約2週間程度かかり、約5カ月間効果が持続すると言われていますので、10月から12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいとされています。定期接種対象者には、お住いの市区町村から定期予防接種の実施時期などのお知らせがあります。
定期接種の対象者
- 65歳以上の方
- 60~64歳で対象となる方(※)
- 心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方。
定期接種の対象者以外の方でも、希望すればインフルエンザの予防接種を受けることができます(任意接種)。
スケジュール
- 13歳以上:毎年度、秋冬に1回接種
- 13歳未満:2回接種(2~4週間の間隔で)
参考)インフルエンザワクチン 厚生労働省ホームページ
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌とは、肺炎の原因菌として最も頻度が高いうえに重症化しやすい強力な菌です。また肺炎だけでなく、普段無菌であるはずのところに侵入して、髄膜炎、菌血症、菌血症を伴う肺炎、敗血症などの侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease:IPD)を引き起こすこともあります。肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎発症の予防や重症化の抑制を期待できます。65歳以上の方や65歳未満であっても肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高い、重症化しやすいと考えられる方は接種が奨められています。
肺炎球菌ワクチンにはいくつか種類があります。当院ではニューモバックスとプレベナー20を採用しています。65歳時の定期接種については、ニューモバックスを使用することになっています。
詳しくはブログをご覧下さい。
彦根市の「高齢者の肺炎球菌感染症の予防接種について」は こちら
RSウイルスワクチン
<接種方法>
60歳以上の方又は50歳 以上のRSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高いと考 えられる方に1回0.5mLを筋肉内に接種する。
RSウイルスは、発熱・鼻汁・咳といった感冒症状(いわゆる風邪)を引き起こすウイルスです。世の中にありふれたウイルスで、2歳までにほぼすべての子供が感染するとされています。そのため一般的には乳幼児期のウイルス感染症として知られていますが、生涯にわたって何度も感染・発症を繰り返し、高齢者や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、心疾患、糖尿病、慢性腎臓病などの基礎疾患を有する方では、RSウイルス感染により、基礎疾患の増悪や肺炎などを引き起こし、重篤な転帰につながる可能性もあります。日本において、60歳以上のRSウイルスによる急性呼吸器感染症の発症件数は年間約70万人と推定されています。またRSウイルス感染症による入院は約6.3万人、死亡は約4,500人とされています。特に・高齢者・喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心疾患など慢性的な基礎疾患がある人・免疫機能が低下している人に対する有効性が期待されています。
詳しくはブログをご覧下さい。
帯状疱疹ワクチン
<接種方法>
50歳以上の方には、0.5mLを2回、通常、2ヵ月の間隔をおいて、筋肉内に接種する。帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方には、0.5mLを2回、通常、1~2ヵ月の間隔をおいて、筋肉内に接種する。
帯状疱疹とは、体の左右どちらかに帯状に片寄って、痛みをともなう集まった水疱を形成する病気です。水痘帯状疱疹ウイルスの初感染のことを水痘(みずぼうそう)と言いますが、その後ウイルスは脊髄後根神経節などに終生潜伏します。のちに加齢や免疫力低下などでウイルスが再活性化すると帯状疱疹を発症します。水痘(みずぼうそう)罹患歴のある3人に1人が80歳までに帯状疱疹を発症すると言われており、加齢とともに罹患率が上昇します。まれに再発することもあります(1~6%)。皮膚症状が治ったあとも痛みが残ることがあり、帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)と呼ばれます。これは数ヶ月から数年にわたって持続するため、QOLに関わる嫌な病気です。
当院で採用している帯状疱疹ワクチン、シングリックスは、50歳以上の方、もしくは18歳以上の方で帯状疱疹に罹患するリスクの高い方が予防接種を受けることができます。50歳以上で帯状疱疹の発症率が高くなる傾向があり、予防接種は帯状疱疹を発症しないための選択肢のひとつになります。0.5mlを2回、通常2ヶ月の間隔をおいて、筋肉内接種します。帯状疱疹予防効果およびPHN予防効果は高いことが報告されています。(70歳以上において、帯状疱疹予防効果91.3%、PHN予防効果88.8%という解析結果あり。)また10年の追跡期間でも予防効果73.2%と、予防効果の持続性も示されています。副反応は筋肉痛や疲労、頭痛、局所反応(疼痛、発赤)などがみられます。多くは2~3日程度でおさまります。
A型肝炎ウイルスワクチン
<接種方法>
通常、0.5mLずつを2~4週間隔で2回、筋肉内又は皮下に接種する。更に 初回接種後24週を経過した後に0.5mLを追加接種する。(接種回数は計3回)
A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)によって引き起こされるウイルス感染症です。A型肝炎ウイルスは経口感染(飲食物を摂取することで感染)しますので、汚染された水や氷、甲殻類、汚染された水で洗われた果物や野菜(サラダ)を生で食べないように注意する必要があります。ウイルスの潜伏期間は平均28日(15~50日)とされ、感染すると倦怠感が強くなり、黄疸(皮膚や目の黄染)、発熱、不快感、食欲不振、強い腹痛や下痢をもよおし、重症になると1~2ヶ月以上の入院が必要になる場合もあります。50歳以上では死亡率は1.8%と高くなります。A型肝炎ウイルスに感染する可能性のある国へ旅行する方は出発前の予防接種をお勧めいたします。
参考)A型肝炎についての情報、リスクのある地域 厚生労働省検疫所ホームページ
B型肝炎ウイルスワクチン
<接種方法>
通常、0.5mLずつを4週間隔で2回、更に、初回注射の20~24週後に1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。
(10歳未満の場合は、0.25mLずつを同様の投与間隔で皮下に注射する。)
B型肝炎ウイルス(HBV)は血液や体液を介して感染します。HBVの持続感染が成立した場合の特効薬はなく、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がん、肝不全へと進展する可能性があります。そのためワクチンを接種し、感染予防に努めることが重要とされ、2016年10月からは、同年4月1日以降に生まれた児を対象に定期接種が開始されています。しかし、それ以前に出生した人の多くはHBワクチン未接種です。不特定の血液・体液に触れる可能性のある人(医療従事者、救命救急士、消防士、警察官、自衛官など)はワクチン接種することが推奨されています。HBワクチンの接種は世界180か国以上で行われており、ワクチンの中でも最も安全なものの一つです。3回の接種にてウイルスの中和抗体(HBs抗体)の体内での生成を誘導し、高い予防効果を得ることができます。乳幼児期にワクチンを接種した場合にはほぼ全例で抗体を獲得できますが、加齢に伴い抗体獲得率は低下傾向にあり、60歳代では80%未満の抗体獲得率とされています。そのため、抗体獲得率の高い若いうちに接種することが望まれます。
麻疹(麻しん)ウイルスワクチン(生ワクチン)
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。2015年3月27日、日本が麻しんの排除状態にあることが認定され、現在は海外からの輸入例と、輸入例からの感染事例のみを認める状況となっています。麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。予防接種が最も有効な予防法といえます。また、麻しん患者さんに接触した場合、72時間以内にワクチン接種をすることで、麻しんの発症を予防できる可能性があります。麻しん含有ワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を接種することによって、95%程度の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。
参考)麻疹について 厚生労働省ホームページ
「麻疹ウイルスワクチン」および「風疹ウイルスワクチン」について
接種が必要かどうか=免疫があるかどうかの判断のため、血液検査にて抗体を確認していただくことができます。お気軽にご相談ください。
また、ワクチンの流通が不安定のため、現在確保が困難となっています。代わりとして「麻疹風疹混合ワクチン」が確保できる場合には、そちらで代用させていただくか確認・相談させていただくことがあります。
風疹(風しん)ウイルスワクチン(生ワクチン)
風しんは、風しんウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。感染経路は飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。症状は不顕性感染(感染症状を示さない)から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合は、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めたりと、小児より重症化することがあります。また、妊娠20週頃までの女性が風しんに罹患すると、眼や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風しん症候群)子どもが出生することがあります。(妊娠1ヶ月でかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%などとされています)。妊娠中の女性だけでなく、妊婦の周りにいる人(妊婦の夫、子ども、その他の同居家族等)も風しんウイルスに感染しないように予防に努めて下さい。なお予防のためには予防接種が最も有効な方法といえます。風しん罹患歴や予防接種歴が明らかでない場合は予防接種を検討してください。風しんワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を接種することによって、95%以上の人が風しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。
参考)風疹について 厚生労働省ホームページ
「麻疹ウイルスワクチン」および「風疹ウイルスワクチン」について
接種が必要かどうか=免疫があるかどうかの判断のため、血液検査にて抗体を確認していただくことができます。お気軽にご相談ください。
また、ワクチンの流通が不安定のため、現在確保が困難となっています。代わりとして「麻疹風疹混合ワクチン」が確保できる場合には、そちらで代用させていただくか確認・相談させていただくことがあります。
MR(麻しん風しん混合)ワクチン(生ワクチン)
麻しんウイルスと風しんウイルスに対する免疫を同時に獲得することができます。