- 髪が細くなり、コシがなくなってきた
- 頭頂部や生え際の薄毛がだんだん気になってきた
- 生え際が後退し、額の薄毛が目立つようになってきた
- ヘアセットが決まらず、髪が透けて見えてきた
- 髪を洗うときや乾かすときの抜け毛が増えてきた
これらが気になってきた方はAGA(男性型脱毛症)のサインかもしれません。
AGAとは

AGAはAndroGenetic Alopeciaの略称で、日本語では「男性型脱毛症」とされる日本人男性の3人に1人が発症すると言われている脱毛症のことです。
主な原因は男性ホルモンの作用によるもので、思春期以降に発症、進行性であり、放置していても治ることはありません。一般的には額の生え際か頭頂部のいずれか一方、または双方から徐々に薄くなっていくのが特徴です。
AGAの原因
AGAの原因として考えられるものは次の6つです。
- 男性ホルモン(ジヒドロテストステロン:DHT)
- 遺伝
- ストレス
- 食生活
- 睡眠不足
- 喫煙
まずは生活習慣の見直しを
睡眠不足や運動不足、過度なストレス、偏った食生活による栄養不足、喫煙などといった日常生活のマイナスな要素もヘアサイクルが乱れる一因になります。
一番の敵は悪玉「ジヒドロテストステロン」(DHT)!
男性ホルモン「テストステロン」は、体内にある還元酵素「5αリダクターゼ」と結合してDHT(ジヒドロテストステロン)に変化します。このDHTが髪の成長を妨げ、抜け毛の原因となるのです。つまり、DHTの影響で髪の成長期が短くなり、髪が十分に成長しないまま抜けてしまうのです。このようにヘアサイクルが短縮されてしまうことで、髪が細くなり、全体のボリュームが減少します。 また、1つの毛根は約40回のヘアサイクルまでという寿命があるため、ヘアサイクルが短くなると毛根の寿命も早く尽きてしまうことになります。そして最後のヘアサイクルを迎えた毛根は機能を失い、それ以降は髪が生えなくなります。
AGA治療とは
寿命を迎えた毛母細胞を回復させることは、現段階ではできません。つまり、毛根が死滅する前に治療を開始する必要があります。早めにAGA対策を行い、正常なヘアサイクルを保ち、毛母細胞の寿命をできるだけ延ばすことがポイントです。AGA治療は「気になったらすぐに」行うのが適切なタイミングです。
世の中には多くのAGA専門クリニックがありますので、お悩みの方はぜひ利用されるといいと思います。当院でもAGA治療のための内服薬を処方することができますので、お気軽にご相談ください。 AGA治療は自費診療となり、全額自己負担となります。
当院では以下の薬剤を扱っています
フィナステリド(プロペシアのジェネリック医薬品)1mg | 28日分 | 4,000円 |
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デュタステリド(ザガーロのジェネリック医薬品)0.5mg | 30日分 | 4,000円 |
また副作用(肝機能障害など)の確認のために4~6ヶ月に1回程度の血液検査を推奨しています。
血液検査(基本セット) 1回 4,000円
これらの薬剤はAGA発症の原因となる「DHT」を作るきっかけとなる5αリダクターゼという酵素の働きを阻害します。これにより、男性ホルモンである「テストステロン」が「DHT」に変換されることを防ぎ、薄毛の進行を予防します。
日本皮膚科学会作成の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」でも、これらの薬剤は「A:行うように強く勧める」とされています。
プロペシアとフィナステリド
フィナステリドの先発品であるプロペシアは2005年にAGA治療薬としてわが国で初めて認可を受けた薬です。フィナステリドはその有効成分名で、ジェネリック医薬品の名前にもなっています。AGA発症のきっかけとなる5αリダクターゼ(Ⅰ型のみ)の働きを阻害し、薄毛の進行を予防する効果が期待でき、数々の臨床試験で「有効」との報告がでています。例えば、日本人男性801名における観察研究において5年間の内服継続により効果が99.4%で得られたと報告されています。ただあくまでも薄毛の進行を予防するためのもので、発毛効果があるわけではありません。(そのため「守り系の薬」と言われています。)
フィナステリドの効果を実感するには一般的には通常6ヵ月の連日投与が必要とされていますが、個人差があり、数か月で作用を実感できる人もいれば、1年近く続けても実感できない人もいます。臨床試験では、1年間続けることで半分に満たない程度の人が、2年続けることで過半数以上の人が効果を実感したとされており、少なくとも1年は辛抱強く続けることが大切です。
副作用が生じる確率は1%以下と後述のデュタステリドと比べても少なく、安全性は高いと言えます。半減期もデュタステリドより短く、体から抜けやすいです。そのため、毎日忘れずに飲み続けるようにしてください。
ジェネリック医薬品であるフィナステリドは、先発薬のプロペシアと主成分はまったく同じです。価格は先発薬より安く、効果や安全性は先発薬と変わりありません。
〇 注意点
以下の注意事項をしっかりご確認ください。
- 副作用:主な2つをご紹介します。
① 性欲減退
よく言われている副作用ですが、実際には性欲減退が起こる確率は1000人に1人いるかいないかと極めて少なく、フィナステリドを服用することへの不安が性欲減退につながっているとの見方もあります。なお、フィナステリドが生殖機能に悪影響を及ぼすことはありませんので、子作りを考えている方でも安心して服用できます。② 肝機能障害
この薬剤に限らず全ての薬で起こりうる副作用です。服用した薬の多くは肝臓で分解されるため、肝臓に負担がかかると何らかの肝機能障害を引き起こすことがあります。もともと肝炎や肝硬変などの持病がなければ、フィナステリド服用による肝機能障害は可能性が低いと考えられます。なお当院では安心して服薬していただくために4~6ヶ月に1回程度の血液検査をお勧めしています。 - 女性には使用しない。
女性の脱毛症に対しての効果は確認されませんでした。また男子胎児への影響が言われており、妊婦または妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性への投与は禁忌となっています。そのため女性には使用できません。また、わずかではありますが皮膚から薬の成分が吸収される可能性があるので、不用意に薬に触れないよう注意が必要です。 - 20歳未満に対する安全性は確立していない。
国内の臨床試験は20歳以上の男性を対象に行われており、20歳未満に対する使用のデータがありません。そのため当院では20歳未満のかたへの処方は行っておりません。 - 内服を中止すると効果は消失する。
そのため、薄毛を予防したいと考えている間はフィナステリドを服用し続けなければなりません。 - 前立腺がんのマーカーであるPSA値が約50%低下する。
そのため、泌尿器科などにおいてPSA値を測定した場合には、担当医にフィナステリドを内服中であることを申告するようにしてください。 - 輸血を避ける。
妊娠している可能性がある女性にフィナステリドを含む血液を輸血させる可能性があるため、薬を飲んでいる間はもちろん、薬を飲み終えてから薬が完全に体から抜けきる1ヶ月間は献血を避けてください。(なお、後述のデュタステリドは最終服薬から6ヶ月間献血ができません。)
ザガーロとデュタステリド
デュタステリドの先発品であるザガーロは2015年にAGA治療薬として認可を受けた薬で、フィナステリドよりも新しい薬です。デュタステリドはその有効成分名で、ジェネリック医薬品の名前にもなっています。ジェネリック医薬品であるデュタステリドは、先発薬のザガーロと主成分はまったく同じです。価格は先発薬より安くなり、効果や安全性は先発薬と変わりありません。前述のフィナステリドと同じような働きで、薄毛の進行を予防する効果が期待できる薬剤です。
フィナステリドとデュタステリドの違い
その1:男性ホルモンである「テストステロン」から悪玉の「DHT」に変換してしまう5αリダクターゼという酵素にはⅠ型とⅡ型の2種類あります。フィナステリドはⅠ型のみに作用するのに対し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方に作用するため、効果はデュタステリドの方が高いと言われています。
その2:フィナステリドと比較してデュタステリドの方が血中半減期が長く、体内に長く留まります。そのため、少し飲み忘れがあったとしても比較的安定した効果が得られます。
このように、効果はデュタステリドほうが期待できそうですが、一方で副作用のリスクはデュタステリドのほうが高い傾向にあります。また、半減期が長い=体から抜けにくいということはデメリットにもなります。(ちなみにデュタステリドは最終服薬から6ヶ月間献血ができません。)
ほかは前述のフィナステリドの同様ですので、前述のフィナステリドの注意点をよくご確認ください。
また、フィナステリドとデュタステリドは同じ作用機序を持つため、併用して服用することはできません。どちらを選択するかは外来で相談しますが、AGA治療が初めての場合はフィナステリドを選択するケースが多いです。
最後に
男性の薄毛にはAGA以外にも脂漏性脱毛症や円形脱毛症などがあります。脂漏性脱毛症は脂漏性皮膚炎が原因となり、薄毛が進行してしまう症状です。また円形脱毛症はストレスやアトピー、自己免疫疾患などで起こる症状です。この脂漏性脱毛症や円形脱毛症は、男性ホルモンの影響で薄毛が起こっているわけではないため、AGA治療薬での改善は見込めません。皮膚科や薄毛専門クリニックの受診をお勧めします。
また当院では「攻めの薬」ともいわれるミノキシジルの内服は扱っていませんのでご了承ください。(ミノキシジル内服薬は国内未承認の薬であるため、取り扱っているところはAGA専門クリニックなど一部に限られています。)